えふじさんのブログ

十中八九殴り書きの記事。

ミジンコでもわかる!プラモデル制作(脱・初心者編)

 どうもみなさんこんにちは。やりたいこととやるべきことは基本的にすれ違う、えふじです。

 前回の記事(初心者編)ではニッパーを使ってキットを組みました。世に出ているキットの9割、とりわけ最近出ているキットはすべて、入門編・初心者編の内容で組み立てられます。ここまでで満足してもらっても全然問題ありません。

 しかし前回までの組み立て方だと、場合によってはゲート(パーツとランナーの接触箇所)の跡が悪目立ちすることがあります。そんなゲート跡が気になる場合にどうしたらいいか。前回使ったガンダムを修整していく形で見ていきましょう。

 

 

誰もがこの問題に直面します

 さて、まずは今回取り組む問題の確認。前回の最後にお見せした画像を再び載せます。

 画像左と比べて画像右の足には不自然な凹凸や白化が見えるかと思います。ホコリではありません。

 原理を説明すると物理や化学の授業が始まってしまうので割愛しますが、悪目立ちするゲート跡への対処法は2つ。「悪目立ちしにくい切り方をする」「目立ったゲート跡を目立たせなくする」この2つのアプローチがあります。どちらも様々な実践方法がありますが、今回は切り方のコツの1つとして「2度切り」を、目立たせなくする方法の1つとして「ヤスリ掛け」をやっていきます。

 

2回に分けて、ぶった斬る。

 まずは「2度切り」。簡単に言うと「2段階でゲートをカットする」ことです。なんのこっちゃと思われるでしょうから、順を追って説明します。

 まず、こちらは前回説明したパーツカットの方法を実践している写真。

 パーツに刃を沿わせて、ぴったりとニッパーを当てています。このまま刃を落とせば確かにゲートを切り離せますが、この方法だと凹凸や白化が起こりやすいです。

 そこで。最初にニッパーを入れる位置を少しパーツから離します。

 こちらが少し離してニッパーを入れている様子。パーツにぴったり刃を沿わせるのではなく、数mm離して1段階目のカットを行います。

 次に2段階目のカット。1段階目が終わったままだと、数mm離した分だけパーツからゲートがぴょこっと飛び出してしまいます。

 そこで今度こそパーツにぴったり刃を沿わせてカットします。このように2段階に分けてゲートをカットすることで凹凸や白化をある程度抑えることができます。

 比較画像。左が今回の2度切りでカットしたパーツで、右が前回の1度切りでカットしたパーツです。2度切りしたパーツは切断面があまり目立たなくなっていると思います。これがゲート跡を目立たせなくする方法の1つ、「2度切り」です。

 

余計な段差は、削ればいい。

 続いて「ヤスリ掛け」。簡単に言うと「余計な凹凸を削り取ってしまおう」という作戦です。爪の手入れをしている方なら、爪切りについてくるヤスリや爪磨きスティックをイメージするとわかりやすいかもしれません。要は削って均すんです。

 ここでヤスリの基礎知識を少々。ヤスリには「番手」と呼ばれる数字がございます。一般的にこの番手、数字が小さいほどヤスリの目が粗く、大きいほど目が細かくなります。ヤスリの目が粗いと削る力が大きいですが表面は荒れます。ヤスリの目が細かいと削る力が小さい代わりに表面がつるつるになります。爪磨きと同じで、基本的には番手の小さいものから大きいものへと順に使います。

 ヤスリにもいろんな種類がありますが、今回使っていくのはこちら。

 左は紙ヤスリに当て木(硬い固形物)をつけたもの、右はスポンジヤスリです。どちらも割と簡単に入手できますが、紙ヤスリだけでも十分です。番手は400番から順に600番、800番、1000番を用意しました。作り方にもよりますが、だいたい400番から始まることが多いです。そこから先は800番で止める人もいれば、1500番、2000番と続ける人もいます。今回は1000番までを使います。

 では実際にヤスリ掛けをしていきましょう。

 ゲート跡を狙って、やさしくなでるように当てていきます。このときヤスリを往復させないようにしましょう。写真では下から上に向かって何度もヤスリを当てています。この例ですと、下から上へと一方向のみに動かして、力をかけずソフトタッチでヤスリ掛けをしています。

 ゲート跡の凹凸が目立たなくなったら、600番、800番、1000番のヤスリに持ち替えて同じことを繰り返します。先にも述べましたが、番手の小さいヤスリは表面を荒らしやすいため、400番で荒れた表面を整えていく目的があります。

 比較画像。左が2度切りとヤスリ掛けを行ったもので、右が1度切りのみで終わらせたもの。ここまでくると実際に組み上げたら分からない領域になってきます。

 ここまでの作業を全パーツ、全ゲート跡に対して行うと……

 

 

 完成!

 

 前回との比較をしてみましょう。

 

 左が前回初心者編で作成したもの、右がゲート処理を行ったものです。ぶっちゃけ違いが分からないかもしれません。それでいいんです。あくまで近くで見た際に(気になる人は)気になる箇所を修整しただけです。実物を見比べてみると結構違いが出るのですが、写真越しに伝わらないのは多分私の撮り方が悪さしてるのでしょう。

 

The next stage is …… ?

 ここまでお疲れ様でした。今回は「きれいに」プラモデルを作る方法の1つをご紹介しました。あくまで細かい箇所の、見た目の話ですので、こだわらない方であればやらなくてもいいかもしれません。確実に手間は増えます。2度切りすればそれだけで倍の時間がかかりますし、ヤスリ掛けはもっと時間がかかります。ですがそんな手間暇を惜しまず、細かいところを気にするようになったらもはや初心者の域を超えたと言っていいでしょう。

 いかにも続きがあるように書いていますが、ここから先は人により、やりたいことにより、キットにより、予算により様々です。こうすればいいでしょう、というものはございません。いくつかキーワードを羅列しておくので、気になったものについて調べてみるとよい発見があるかもしれません*1

  • スジ掘り
  • シャープ化
  • 筆塗り
  • エアブラシ
  • キャンディ塗装
  • スミ入れ
  • ウェザリング
  • ジオラマ
  • (……その他もろもろ)

 長らくここまで、えふじ流プラモデル制作講座もどきを続けて参りました。少しでもプラモデルに興味を持っていただけたら幸いです。プラモデルコーナーを見たときに「なんかやたらプラモを勧めてくるやついたな……」くらいでも結構です。もし少しだけ、ほんの少しだけ余裕があれば、プラモデルコーナーに立ち寄ってみてください。モデラーはいつでもみなさんを歓迎しています。

 以上。この後モールドを全部掘り直す、えふじでした。

*1:私もすべてを知ってるわけではありません。